
『ゆっくりと療養できる場所』。回復期リハビリテーション病棟は、そうしたイメージを持たれることが多いかもしれません。しかし、実際には、急性期治療を終えられたばかりで医療的なケアが必要な方、脳卒中の後遺症である高次脳機能障害や認知症と向き合いながらリハビリに取り組まれる患者様、そしてそのご家族様がいらっしゃいます。私たちは、そんな患者様一人ひとりに寄り添い、その思いを支える看護を提供しています。
患者様それぞれの状態や目標に合わせたリハビリテーション計画に基づき、日常生活動作(ADL)の練習や寝たきり予防のためのケアを行うことはもちろん、高次脳機能障害による様々な困難を抱える患者様に対しては、その症状に合わせたコミュニケーション支援や環境調整なども行っています。また、認知症をお持ちの患者様には、穏やかな生活を送っていただけるよう、丁寧なケアを心がけています。
入院早期からの情報収集を通して、患者様の生活背景やご家族の思いを理解し、退院後の生活を見据えた支援を行っています。ご本人様だけでなく、ご家族様の不安や疑問にも寄り添い、共に考え、必要な情報提供やアドバイスをさせていただきます。急性期から回復期、そしてそれぞれの居場所へ。それは患者様とご家族にとって、新たな生活のスタートラインです。その大切なスタートラインに立つまで、私たちは共に悩み、考え、希望を持って進んでいけるよう、精一杯サポートさせていただきます。
小さな変化に気づくためには、私たち自身が心にゆとりを持つことが大切です。当院では、『フィッシュ哲学!』の考え方を大切にし、スタッフ一人ひとりが仕事を楽しむこと、互いを尊重し助け合うことを意識しています。例えば、忙しい時でも互いに声をかけ合い、笑顔でサポートすることで、患者様の小さな変化にも気づける心のゆとりが生まれています。そうしたポジティブな環境が、患者様の笑顔と『ありがとう』の言葉につながり、私たち自身の喜びとなっています。看護部だけでなく、職員からの『笑顔』と『ありがとう』の言葉も大切にし、これからも患者様にとって、そして私たち職員にとっても温かい場所であり続けたいと思います。